すまいをトーク~すまい再発見!~

最新情報

講座日程変更のお知らせ
【第11回座学】 知られざるゲタバキ団地の世界
2026/2/12(木)→
2/19(木)に変更しました
→詳細はこちら

次回講座のお知らせ
2026/2/19(木)18:30-20:30
知られざるゲタバキ団地の世界
→詳細はこちら

<終了しました>
2026/1/15(木)18:30-20:30
漆工の魅力と今昔館の展示
→レポートをアップしました

2025年度スケジュール発表
スケジュールページを更新いたしました。2025年度の日程表と各講座の詳細は下記PDFファイルでもご確認いただけます!

すまいをトーク2025年度パンフレット

すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

【第10回レポート】2026年1月15日(木)漆工の魅力と今昔館の展示

 今回の講師は、「大阪くらしの今昔館」学芸員・上田祥悟先生です。1987年生まれですから、60~80歳を主体とする本講座聴講生からすれば、ご自身の子供・孫の世代ともいえるでしょう。世間では何かと世代間の隔たりが問題視されていますが、果して付いていけるかな?(終了後のアンケートは、頗(すこぶ)る好評でした。)

 先ずは自己紹介に始まり、早々に漆・漆工などを網羅する基礎知識の解説です。漆は竹と同様に東洋の特産木です。日本列島に生育する「漆」の特性について、分かり易く説明・解説して戴きました。
 中でも、松・梅・杉・檜・桜・桃・桐・欅・桂・栃・柿など馴染みの樹木は木偏(きへん)の字体ですが、「漆」は三水偏(さんずいへん)なのです。「漆の本質は、材質(固体)ではなく、樹液(液体)にあり!?」なんとも摩訶不思議な樹木ですよね、本当に!
 論旨にそつがなく、流暢な口調で止めどなく語られる「漆」に纏わる所見に、のっけから好奇心をそそられ、老体の聴講生(私自身のことですが)は暫し唖然!「知っているようで、知らないことも多々あり!」でした。
 北海道の縄文遺跡から漆の痕跡が発掘されたが、漆工芸がこの北国に根付いていたとみるのは早計で、産地が限られている翡翠(ひすい)や黒曜石が日本列島津々浦々などから見つかるように、「縄文時代には全国的な交易網(特に日本海中心に)が形成されていたことによるかも?」等など、的を射た的確な持論に、ひたすら共感です。

 また、漆器などの工芸品(主に蒔絵(まきえ)・螺鈿(らでん))は、わが国の主な特産品・輸出品でした。英語の「チャイナ」は「China(固有名詞)」が中国を、「china(普通名詞)」が磁器・陶磁器を意味しているのと同じく、「ジャパン」は、「Japan(固有名詞)」は日本国を、「japan(普通名詞)」は、漆(漆)・漆器を意味していることに、私たちジャパニーズ(日本人)は、もっともっと着目すべきではないでしょうか!
<参考> japan 漆・漆器 Japan日本国
china磁器・陶磁器 China中国
『リーダース英和辞典』研究社
 ところで、視聴者の皆さん!「うるし」という漢字、書けるかな!?「木偏(きへん)」ではなく、「三水偏(さんずいへん)」ですよ。
本講座受講をご縁に、せめてこれだけでも覚えてください!切に、切にお願いします。

 古(いにしえ)より、「漆」はこの国の優れた塗料・接着剤として建築・仏教・諸工芸などと深く関わってきました。京都鹿苑寺金閣や平泉中尊寺金色堂などの世界遺産の壁面金箔貼り下地は、「漆」です。また、松本城天守(国宝)の黒い外壁(下見板)なども、須(すべか)らく「漆」です。おそらく、あの安土城天主や秀吉時代の大坂城天守などの内外には、大々的に「漆が塗られていた」ことでしょう。
 また、老若男女を問わず普(あまね)く国民に愛されている興福寺阿修羅像などは木屎(こくそ)漆(うるし)脱活乾漆造であり、古式の微笑(アルカイックスマイル)で愛されている中宮寺如意輪観音像などの諸仏の下地は、押し並べて「漆」でした。

 願わくは、古建築マニアや仏像ファンのためにも、広く建築・仏教などを包括した「漆文化の魅力」講座を、今後とも継続して開講したいものです。
 上田先生!今回のご講義、誠に有難うございました。これからもJapan(日本)が世界に誇る「japan(漆)」の真の魅力を、大いに発信し続けて行こうではありませんか!?

(レポート:運営委員 牧 彰)

すまいをトークへメール