すまいをトーク〜すまい再発見!〜

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2023/8/10(木)
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田舎建築士 東奔西走
〜そんじょそこらの建築屋のしごと・思うところ・おこない〜
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スケジュールページを更新しました。2023年度も皆様のご参加を心よりお待ちしております!

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マンスリーレポート

【第5回】2023年8月10日(木)
田舎建築士 東奔西走 〜そんじょそこらの建築屋のしごと・思うところ・おこない〜

本日の講師は、当会の古くからの会員で、和歌山県海南市において建築事務所と工務店を営んでいる九鬼敏博さんです。同じ会員として長い付き合いではありますが、ご自身のお仕事のこと等はほとんど話されることはなく、本日のお話はとても楽しみにしていました。
結論から申し上げると具体的なお仕事の内容、施主、役人等との関係、趣味嗜好に至るまで、大変興味深く面白いお話を聞くことができ、ご本人のお人柄まで伺うことができました。

○ 経歴など
おじいさんが地元で大工棟梁をしておられた関係で、建築屋としては三代目になります。
高校生時代から情緒ある古民家などに興味を持ち始め、自然の成り行きのようにこの道に入られたとのこと。現在、木造住宅や公共建築物の新築、古民家改修、学校の黒板の取り換え等に至るまで、しっかりと地元に根付いた仕事をこなしておられます。
特に住宅建築に関しては、その土地の風土や歴史に育まれた独特の様式が生まれることを重視し、出来るだけそのような基本思想を持って仕事を進めているとのこと。そのためか、どんどん壊されていく古民家や古い物を惜しみ慈しむ気持ちがとても強いことがお話の中から伺えました。

○ 施主、役人のそれぞれ
住宅新築や古民家改修にあたり、施主の考え方や注文とご自身の考え方に齟齬が生まれることは多くありますが、その度に丁寧に説明をして、本来あるべき姿に近づけようと努力されています。 古民家のリフォームの際に施主から、縁側をめぐる立派な木枠の掃き出し窓を全部アルミサッシにしたいといわれた時には必死に説得し思いとどまってもらったそうです。ある若い施主の注文で外壁が真っ黒の住宅を建てて引き渡したのですが、黒い壁はクモの巣がたくさん出来てしまい良くなかったとおっしゃってました。実は私(筆者)の家の近所で真っ黒の建売住宅があるのですが、窓枠回りがクモの巣で悲惨な状態になってます。地が黒いのでとても目立つのです。
申請時に関わる役人もそれぞれ個性があり、仕事のはかどり方が大きく違ってくるそうです。
大まかに言えば、経験が豊富で現場に理解のある方に当たるとスムーズに進み、そうでない方ほど訳の分からないようなケチをつけてきて不要な時間を浪費するとのこと。自治体によって傾向が異なるそうです。

○ 疑問に思うこと
・まだまだ住めそうな立派な古民家を取り壊して、「ロングライフ住宅」を銘打ったハウスメーカーの住宅を建設している現場を見たが、既存の建物に手を入れれば、あと100年や200年十分に住めるのに、これって何?。
・かつてのエコカー減税の話。使用中の車を廃車してエコカーを購入することを条件に減税するという制度だったけど、物を大事に長く使うことを否定しているし、それって本当にエコなのか? その他いろいろおっしゃってましたが省きます。

○ もったいないと断捨離と
時間は容赦なく進んでゆき、決して戻ることはない。古くから存在しているものを壊したり無くしたりしたら二度と同じものは作れない。という基本思想を持っておられ、古民家取り壊し等で不用品として捨てられる様々な物を引き取って、広い倉庫の中にストックしておられます。
古材、建具、電化製品、掛け時計、絵葉書等々。その量は素人の趣味レベルではなく、十分に商売になるほどのものです。一度見学に訪れたいと思います。
本日のお話をお聞きして九鬼さんの、古き良きものを愛おしみとても大切にする姿勢が、お仕事にもよく表れていると思いました。本日は貴重なお話ありがとうございました。
(報告:並平 文清)

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