「すまいをトーク」は木造住宅を中心に、住まいに関することを建築士を交えて学ぶ会です

次回講座のお知らせ
2023/6/8(木)
18:30-20:30
木の味わい削り出す 槍鉋(ヤリカンナ)の実演と体験
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<終了しました>
2023/5/14(日)
13:00-18:00
新緑の奥嵯峨に“古の佳人”の足跡を訪ねる!
→レポートをアップしました
2023年度スケジュール
スケジュールページを更新しました。2023年度も皆様のご参加を心よりお待ちしております!
すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

【第2回】2023年5月14日(日) 新緑の奥嵯峨に「古の佳人」の足跡を訪ねる!
今年度第2回目の例会(見学会)は、あいにく時々小雨の降る天候となりました。今回は運営委員で1級建築士の牧さんが案内してくださいました。阪急嵐山駅に集合し、そこからバスで終点の清滝まで行き、嵐山まで下ってくるというルートです。私はこれまで嵐山駅から鳥居本まで行ったことは何回かありましたが、逆のルートは初めてでした。バスは嵐山駅から嵯峨野を走り抜け、清滝トンネルを抜けたところが終点の清滝でした。清滝川の渓流と水音が涼し気で新緑が美しく、朱塗りの橋もあり風光明媚な場所です。秋は紅葉がさぞかし美しいと想像されます。
ところで1929年には嵐山から清滝までの間、愛宕山鉄道が開通し、清滝から愛宕山まではケーブルカーも通じていたそうです。そして愛宕山には、ホテルや飛行塔のある遊園地、スキー場、テント村が設置され賑わったそうです。しかしながら戦時中の1944年に鉄供出のため廃線となったそうです。ケーブルカーの駅だった場所には今も階段だけが残っていました。京都は空襲を免れ、数多くの文化歴史遺産が戦災を免れましたが、このような一般にはあまり知られていない歴史もあったことを再認識しました。
清滝を散策している中で空家が目につきました。2年位前に吉野に行った時も廃業した建物が目につきました。清滝はコロナでしょうか、それとも他の理由でしょうか?
清滝散策後、清滝トンネルを通りました。トンネルは、元は鉄軌道でしたが、廃線後は道路となっています。1車線のためトンネルの出入り口には信号機があり、交互通行となっていますが、歩行は禁止されていないとのことです。トンネルを抜けると鳥居本です。振り返ってトンネルを見ると信号機の近くに「清滝隧道」という標識がありました。「隧道」を何と読むのだろうと思いました。調べてみると「すいどう、ずいどう」と読み、意味は≒トンネル、これは古い言い方で、「すいどう」は水道と間違えるので「ずいどう」とも読むそうです。ちなみに、この清滝トンネルは心霊スポットとして有名とのこと。
トンネルの近くに愛宕念仏寺があります。愛宕(あたご)山、神社の近くにありますが、読み方は愛宕(おたぎ)念仏寺です。この寺は、当初、奈良時代に山城国愛宕郡(おたぎごおり)に建立されたので愛宕寺と名付けられました。大正11年にこの地に移築され、嵯峨の愛宕念仏寺として再興されました。昭和55年より本格的な復興事業が行われた際、境内を羅漢の石像で満たしたいとの趣旨に賛同した一般の参拝者自らの手によって彫られた羅漢像が五百羅漢ならぬ千二百躰にもなったそうです。個性豊かな表情の羅漢が境内に溢れ、背面には作者の名前が彫られています。
少し下ると、朱色の一の鳥居と平野屋から約600mの重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の「嵯峨鳥居本地区(S.54年)」となります。紅葉、一の鳥居、茅葺の平野屋のセットは絵になるので、みなさんもよくご存知のことと思います。
調べたところ、京都市には重伝建が4地区あります。「産寧坂地区(S.51年)」「祇園新橋地区(S.51年)」「上賀茂地区(S.63年)」です。
牧さんから「竹」について興味深いお話がありました。Wikipediaにも「竹はヨーロッパ、北アメリカの大部分には見られない」と記されています。嵯峨野の美しい竹林は外国人、特に欧米人にとっては不思議な風景なのかも知れません。
町並保存館、化野念仏寺(拝観)、寂庵、祇王寺(拝観)、滝口寺(拝観)、去来の墓、落柿舎などを巡り嵐山に戻ってきました。牧さん、ご案内ありがとうございました。天候が良くないにもかかわらず多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。(報告:運営委員 北川 弘)
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