すまいをトーク〜すまい再発見!〜

最新情報

2018年度のスケジュールをアップしました!
第13期 2018年度のすまいをトークは4月7日(土)開講!今年度も多彩な講座内容で、皆様のご参加をお待ちしております。
→2018年度スケジュールはこちら

次回講座のお知らせ
7/12(木)18:30-20:30
京都発 大工さんの話 〜大工になってよかった - 技術を生かして暮らしを支えて行く〜

終了しました
6/14(木)18:30-20:30
伝統工法と職人の育成 <次世代への技術の伝承>
→レポートをアップいたしました!

新聞で紹介されました!
2018年4月20日の読売新聞で、すまいをトークの活動が紹介されました!
▲画像をクリックすると大きく表示されます

新聞で紹介されました!
2016年10月16日の読売新聞で、すまいをトークの活動が紹介されました!
▲画像をクリックすると大きく表示されます

すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

マンスリーレポート

◆ 第3回 「伝統工法と職人の育成」〜次世代への技術の伝承〜

 講師:(有)左官山本組 山本社長より予め伝統工法とは...職人の育成について... のテキスト的な判りやすい資料は配布されていたが、その資料を詳細に亘って説明していけば 限られた時間内に終えることは難しいと判断され、商品説明も含めながら@面白い話A苦労話等を中心にされた。
 話の内容は第1部について山本社長弟子時代の1)師匠の話 2)作品で苦労した話 第2部は1)兵庫県認定職業訓練校設立の話 2)若手職人募集の苦労話 3)育成に於ける苦労話が主体であった。そして最後には竹小舞を中心とした土壁(荒壁)、漆喰及び鏝道具の話で締めくくられた。

 第1部の1)師匠の話では頑固で口数が少なく、めったに妥協しない、得意先の人でさえ、女の人をくどくより師匠をくどく方が難しいと言わしめた。しかし難しい仕事となると果敢に攻め、この仕事は難しくて出来ないと言ったことがない師匠であった。 まさに職人の鏡のようであった。今も山本社長の中では「今日の仕事量より明日の仕事量が 伸びる様段取りを常に考えて仕事する」という口癖は忘れることはできない。
2)作品で苦労したことは24歳で鐘楼の懸魚や釘隠しを任せられた時の緊張感等や西宮神社の「版築(はんちく)、塀...型枠に土を入れて砂、砂利も混ぜ目的の高さになるまで突き締める」案件やUSJの発泡スチロール+樹脂のモルタル仕上げ等々何れも長期に亘り、しかもこつこつと積み上げていく仕事である。

 左官職人で日本一の腕前と言われている有名な久住さんは(久住ブランドといわれている)事に当たる前100回練習して臨むと言われている。あとで職人の育成でも 述べるが腕の良い職人になるには、まず反復練習が重要な要素と物件の経験数を如何に積むかそれが職人として後迄生き残れるか否かとなる。又、その経験は職人の血となり肉となり自信となるのである。 後で生きてくることは左官技術(技能)の基本重視を優先し、いくらお客様の無茶な要望であっても出来ないことは出来ないと断り、その替り代案が有れば必ず提案する→またその代案でサンプルを提出する。お客様がそれで納得すればそれで契約となる。それだけの経験との裏付けで自信と良い意味でのプライドが必要である。(このコメントは懇親会の席上でのコメントです)

 さて第2部に入り、まず若手職人の募集で苦労する。今年度は第3期として(H30年)4月から2名スタートしているがH29年度は0でかなりの募集経費も掛けている。 訓練校設立以前にも若手が若干名きたが長続きしない。訓練校作って認定を受けてから 募集に苦労はしているものの、それでも集まりやすくなってきたのでは、又、別の意味で従業員の定着率がよくなってきているのではと思っている。
何れにしても昔の徒弟時代と違ってカリキュラムを組んで親切、丁寧に教え込むこと。
又、正社員として採用し、各種社会保険を付与し身分保証を行うことが前提となる。
その上で実務の反復練習、座学における理論武装をさせることが重要となる。
又、著名な京都左官専修技能学院山本学院長(茶室の左官で有名)、佐藤ひろゆき先生にお願いし一流の腕前を披露して頂き、夢と希望と刺激を与えている。
従って、1級職、2級職への技能職資格取得の後押しも支援をしている。
又、社会人としてのマナー、エチケット、お客様への感謝の心等当然のこととして、教育している。

 尚、商品説明では竹小舞、土壁、荒壁についての説明がありましたが竹小舞を編む紐はシュロ縄が一番である。土にはそれぞれ産地の特長があり、又土そのものにいろいろな表情がある。又、職人の技、腕ひとつでいろいろな表情を付けることもできる。 竹小舞+土壁(荒壁、大直し、中壁、上壁)で総厚70mm〜90mm位の仕上げとなる。 又木摺は壁厚が多く取れない箇所の数寄屋建築や茶室等の下地材として利用される。 漆喰についても造り方及び材料のもととなる海藻、スサ、消石灰等の説明があった。 鏝については用途、素材によって最適なものを使い分ける等の説明もあった。

 最後に纏めとしてこれからの左官業は@確実に仕事が減っていること。A職人の成りてがいなくどうやって職人を確保して育成していくかB左官屋同志の横の連携を深め、例えば黒漆喰仕上げが出来る技術、技能のあるところへはコラボで仕事をする。そして技術を共有していく。(自社の若い職人と一緒に指導を兼ねて現場で仕事する) C訓練校等は自社採用職人の育成も必要であるが他社の生徒も預かり業界一緒になって職人を育ていく。D縁遠く又、可能性も低いが小さい子らに「泥団子教室」で馴染んで貰い、やがてその子らが左官職人に戻ってくる可能性を夢を見て泥団子教室の運動も展開していく。先の長い壮大なチャレンジである。
 以上が山本社長の締めくくりとしての言葉で有ったが少しでも現状打破にチャレンジし続ける決意と勇気が感じられた。 (報告者:土井 勇)

すまいをトークへメール