「すまいをトーク」は木造住宅を中心に、住まいに関することを建築士を交えて学ぶ会です
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2025/1/9(木)
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2024/12/12(木)
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祇園祭の山鉾「鷹山」復活
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2024年度スケジュール発表
スケジュールページを更新いたしました。2024年度の日程表と各講座の詳細は下記PDFファイルでもご確認いただけます!
すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。
【第9回】2024年12月12日(木)祇園祭の山鉾「鷹山」復活
今回の講座のテーマは、京都祇園祭の山鉾の復元設計のお話でした。
講師の末川さんは設計事務所勤務後、国際協力事業団青年海外協力隊に参加されブータン王立司法裁判所に勤務されブータンの建築設計にも携われました。
その後帰国され設計事務所開設後、京町家をはじめとする伝統的な木造建築の改修設計設計を専門とされています。
設計事務所を開いて二年目に、京都市文化財保護課及び祇園祭山鉾連合会の要請で祇園祭の山鉾の木部軸組の調査のお手伝いに加わられました。
そのご縁をきっかけに、150年ぶりに巡行復帰する大船鉾の復元設計を担当し、その後196年ぶりに巡行復帰する鷹山の復元設計も担当されました。
鉾の構造のお話では、図を交えて詳しく説明していただきました。
山鉾の調査・実測を行った結果、鉾の軸組は構造的に完成されていることが分かったそうです。
鉾の構造は極端な柔構造。短期間での組立と解体を前提とし、人力だけで地上25mを超える真木を建て起し、自立させ、巡行に耐えるその構造は、一般の建築物を超える性能も要します。
華やかな懸装品の陰に隠れがちですが、その木部軸組は、寺社や五重塔、茶室や町家と並んで日本の誇る伝統軸組構法の一つの完成形であるとのことでした。
大船鉾の復元設計では、大船鉾の大きさは幕末から四条町内に残る雨天用の水引幕から決定し、船体に続く屋形の設計では、江戸時代の十一点の絵画を各部位ごとに一覧で比較し、参考に出来る資料を一点に絞ったそうです。
鷹山の復元設計での要点は、その安全性の確保で、実際に真松が建て起せるか、巡行での真松や屋根の揺れをを化粧の四本柱で受けきれるか、狭い交差点で辻回しができるかなど、さまざまな検証が必要であったとのこと。
コンピューターによる設計ツールがない時代にどのように山鉾は作られたのか。おそらく鉾を作った大工たちは精密な模型を作って構造の検討や寸法管理を行い、そして実物大で何世代にもわたって、試行錯誤を繰り返し、その安全性の確認を積み重ねてきたのだと想像しているとのことでした。
大変興味深いお話の連続で、祇園祭りの見方がかわる楽しい講座でした。
(レポート:安福 武)
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