すまいをトーク〜すまい再発見!〜

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2019年度の開講スケジュールをアップいたしました!
今年度もよろしくお願いいたします。

次回講座
4/11(木)18:30-20:30
災害に負けない家づくり −災害は忘れた頃に−

終了しました
3/14(木)18:30-20:30
リフォームで新築を超えられるのか!? 〜住み慣れた場所で、新たな生活スタイルを求めて〜
→レポートをアップいたしました!

新聞で紹介されました!
2019年4月6日の読売新聞で、すまいをトークの活動が紹介されました!
▲画像をクリックすると大きく表示されます

すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

マンスリーレポート

◆ 第12回 リフォームで新築を超えられるのか!? 〜住み慣れた場所で、新たな生活スタイルを求めて〜

 「古い住宅は、壊して建て直すもの。」
私がこの講義を受講しようと思ったきっかけは、この考え方が頭にあったからです。これは、現代の使い捨て時代で育った日本人の考え方ではないかと思います。日本の住宅の寿命は平均30年と言われています。本当は、もっと長く住めるのに、壊して建て替える人が多いようです。

本日の講義は、リフォームされた施主Tさんと、それを行った工務店のメンバーとが、発表形式で行うという珍しいかたちで行われました。
進行役は、以前この座学で講師をされた梅田工務店の大工の本田敏秀さんでした。
最初にユーモアたっぷりにTさんが語り始められました。築5年の建売住宅を購入され、数年後に水漏れなどの不具合に悩まされたので、快適さを求めて、「すまいをトーク」の講義を受講し、整理収納アドバイザーやクリーンネストの資格も取得されたそうです。それなのに、快適な生活を送ることが出来ず、不具合からくる不安感。そして、足場組立の時に両サイドの住宅に迷惑がかからないようにサイディング外壁にし、一生何もしなくてもいいと思っていたのに、10年ごとにメンテナンスが必要、と飛び込み業者に脅され、このままでは、快適な生活を手に入れられないと気づいたこと。子供さんが独立されて夫婦二人の生活スタイルに変わったことがきっかけで、今回のリフォームを決断されたという経緯を話されました。

Tさんの要望は、下記の3点で、工務店に投げかけたそうです。
1.終末まで家に手をいれなくてもいいように!
2.使っていない部屋を無くしてほしい!
3.「外から見えない外」が欲しい!

先ずは、この一見とんでもない?要望を叶えられるか?に挑んだのは、相談を受けた梅田工務店の梅田誠亮さんでした。外から見えない外とLDKを繋げる事によりクライアントの求める開放的な大空間が演出できるが、一階にその様な大空間を演出することは、構造・耐震的にもかなり無理があるだろう。二階に作れば日常生活の動線が長くなるリスクを背負う事になるが、限りある土地の条件で、駐車場の上部を重複させる事で、「外から見えない外」を演出できるだろう、と考えてプランを作成されたそうです。

現場管理者の東端信和さんは、一般的なリフォームのメリットとデメリットを、ソフト・ハード面について細かく説明されました。大工棟梁の南本健太さん、大工の本田さんは、解体から始まった工程を追って話を進められました。見た目ではわからない、壁・床・天井をめくって初めて見えた施工時の技術の質や、床のレベルの直し、通りの修正など、予想外の仕事に悪戦苦闘の日々だったそうです。
特に、取り換えることの出来ない通し柱を磨き丸太で覆う作業は、梅田さんが無謀と思われる指示を出し、それをやり遂げた棟梁の南本さんの技術のすごさに感動しました。梅田さんは、いつも不可能に近いことを、いとも簡単にできるかのように命令して帰られるそうです!
そして、玄関の木製無垢ドアの作成の手順の説明では、一見、一枚の杉の板をドアにしているかのように見えていましたが、3枚の板が繋ぎ合わされていて、これは複雑怪奇な作業であり、また、扉がひねったり、反ったりしないように「吸いつき桟」という難しい大工さんの技術が隠れていることを知りました。
講義の進行具合も仕事同様、分刻みで役割分担がきっちりなされていて、工事の作業内容の説明が細かく、スクリーンに映し出された写真で、より深く理解することが出来て、古い家がリフォームで新築のように生まれ変わる事が、手に取るようにわかりました。

 今回の講義には、大学生・高校生の3人の子供たちと共に受講しました。現在、昭和の前期に建てられた私の生まれ育った実家が、何も使われないまま残っている状態です。いずれは子供達の誰かが、それを継承してくれると信じていますが、子供たちには、古民家を建て替えることなく、今回の講義でまるで新築のように出来ることが判ってくれたと信じます。両親と共に住んだ、思い出いっぱい詰まった実家を、昔の面影を残しつつ継承してくれる可能性を持てた講義でした。
子供たちの感想は「住宅の状態によってリフォームが出来るか、それとも新築すべきかがわかった。家をリフォームする時は工務店選びに気を付けないといけない。建築、リフォーム関係についていろいろと勉強になった」などでした。

最後に、Tさんは「リフォームで、我が家の欠陥までも修復させるという労を、大工さんにかけてしまいました。このように手間をかけた家と、全く手をかけなかった住宅が築何年と言う括りでは同じです。築年数で一律に評価するのではなく、建物それぞれの状態を適切に評価する仕組みや、意識の改革が必要ではないかと思います。また不動産会社は『売りっぱなし』で、お客さんとの関係は1度で終わり、そういうビジネスモデルを変えてもいい時期ではないでしょうか?高齢化が進み、リフォームなどで何度もお客さんから相談を受ける。そんな時代に応じた事業の展開もあるのではないかと思います」と締めくくられました。

少子高齢化で、今後、古い住宅は残ってくることになるでしょう。それらの住宅を購入する際は、築○○年だけで評価しないようにしたいし、建物の良し悪しは構造を見ないとわからないので、専門家に見てもらう事が大事です。今後も、「すまいをトーク」で勉強し、見る目を養う事の大切さも学べました。次年度の座学・見学も、子供たちと一緒に受講出来たら嬉しいです。(報告:上村育代)

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