すまいをトーク〜すまい再発見!〜

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深江郷土資料館と安中新田会所跡 〜純和風庭園・和風建築のお屋敷と数少ない会所屋敷〜 →レポートをアップしました

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スケジュールページを更新しました。2023年度も皆様のご参加を心よりお待ちしております!

すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

マンスリーレポート

【第8回】 2023年11月11日(土) 深江郷土資料館と安中新田会所跡 〜純和風庭園・和風建築のお屋敷と数少ない会所屋敷〜

 当日は前日の雨も上がり天候に恵まれました。地下鉄千日前線新深江駅に集合し、深江郷土資料館を訪問しました。本館と別館があり、本館は平成22年7月「人間国宝角谷一圭(かくたにいっけい)記念深江郷土資料館」として開設されました。一圭氏作の鉄瓶、釜、銅鏡を始め、他の人の色々な作品や菅(すげ)細工も展示されています。
 興味深かったのは、深江は、かつては低湿地で、良質の菅を産出したことから、菅を編んで作った「菅笠(すげがさ)」作りが盛んだったということです。菅笠と言われてもあまりピンと来ませんが、童謡の「茶摘み」の歌詞に「夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る、あれに見えるは茶摘みじゃないか、茜襷(あかねだすき)に菅の笠」と歌われています、と館の方から説明がありました。
 江戸時代には深江の菅笠が名産となり、伊勢参りの道中笠として買い求める人びとで賑わったそうです。菅笠は、基本的には円錐形で、歌川広重の浮世絵にも描かれており、晴雨兼用で、雨の時は繊維が膨張して隙間が無くなるため雨が漏れず、晴れの時は繊維が収縮して隙間ができ風通しが良い優れものだそうです。形には色々なバリエーションがあり、三度笠もその一つです。
 一度はすたれた菅細工の技術を伝承していくため、昭和63年に「深江菅細工保存会」が発足し、皇室の大嘗祭に使用される御菅蓋、伊勢神宮式年遷宮に使用される御料菅御笠(ごりょうすげのおんかさ)を奉納しており、実物が展示されています。資料館の前には「菅田」が復元されていますが、当日は刈り取られており、株だけが残っている状態でした。
 別館は、昭和10年に建築された旧幸田邸が、一度は不動産業者に売却されたものを、令和2年に購入し改修、整備したものです。長屋門、土蔵、日本庭園もあり、主屋は木造2階建ての近代和風建築で、こだわりと贅を凝らした建物で、式台(貴賓玄関)、日本刀の鍔(つば)を使用した欄間、一枚板の縁側、関東大震災後に建築されたことから耐震を高めた屋根裏の垂木をガラス越しに見ることもできます。国の登録有形文化財で、一部はイタリアンレストランになっています。
 興味深かった深江郷土資料館を後にして、八尾市にある安中(やすなか)新田会所跡(旧植田家住宅)に向かいました。JR八尾駅からほど近くにあり、江戸時代(1704年)の大和川の付け替えで旧河川跡が新田となり、その新田の管理事務所として建てられたものです。この屋敷は会所の管理を行う支配人であった植田家が住居としても使用し、約30年前まで実際に住まわれていたそうです。 
敷地内には資料館もあり、学芸員さんが説明や質問に答えていただきました。新田会所建物は、以前は数多くありましたが、現在は、府内では「鴻池新田会所」「加賀屋新田会所」の3カ所となっています。本会では、昨年秋に加賀屋新田会所を見学しました。
 建物の保存状態は良好で、当時の面影、暮らしぶりが偲ばれます。旧河川敷のため水はけが良かったことから、綿花栽培が盛んとなり、製品は河内木綿と呼ばれました。興味深かったのは、建物内には綿花や糸車が展示され、学芸員さんが実際に綿から糸を紡ぐ様子を実演していただいたことです。やはりコツが必要とのことでした。
 本会では以前に、実際に大和川の付け替えがされた現地を見学したことがありました。今回、レポート作成に当たり他の資料も参考にしましたが、やはりプラス、マイナス両面が指摘されています。いくつかマイナス面が指摘されていますが、わたしが唯一知っていた理由の一つが、中世より貿易で栄えた堺が新大和川によって運ばれる土砂により港が浅くなり、衰退していったということです。
 今回の見学も建物だけでなく、建物ができた背景や地域の歴史についても興味深く学ぶことができました。
 当日は約30名の参加者があり、皆さん、熱心に見たり、質問したりしていました。ご参加ありがとうございました。お疲れ様でした。
(報告:運営委員 北川 弘)

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