「すまいをトーク」は木造住宅を中心に、住まいに関することを建築士を交えて学ぶ会です
次回講座のお知らせ
【見学】2026/11/21(土)
11:30-17:00
<けいはんな記念公園(水景園)など>探索
※11/14までに参加申込をお願いします
→詳細はこちら
<終了しました>
【見学】2026/10/24(土)
14:00-17:20
昭和町~田辺界隈の長屋をめぐる
→レポートをアップしました
2026年度スケジュール発表
2026年度の日程表と各講座の詳細は下記PDFファイルからご確認いただけます。
すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。
【第7回】2026年10月24日(木)昭和町~田辺界隈の長屋をめぐる
10月24日、台風30号の影響で朝からかなりの雨が降っていましたが、午後2時に大阪メトロ昭和町駅へ集合する頃には雨も上がり、街歩きには絶好の環境となりました。
案内人は、2年前の「すまいをトーク」座学『町につながる長屋暮らし』で講師を務めていただいた伴現太(ばん げんた)氏です。座学では、ご自身が手掛けられた長屋再生の事例や、地域住民との交流を交えたまちづくりについて学びました。今回は、その実際の現場を訪ねる見学会ということで、参加者の関心も高く、総勢40名という大人数での散策となりました。
見学は、当日配布された『昭和町歩きガイドブック』の順に進められました。案内された建物群は、大正末期から昭和初期にかけて区画整理された街区に建てられた長屋です。これらの建物はリフォームやリノベーションによって再生され、創建当時の面影を残しながらも、現代の暮らしに適応した魅力的な建築へと生まれ変わっていました。
説明によると、これらの長屋は明治時代の「大阪府長屋規則」に基づいて建てられており、「1階は前面道路から45cm後退」「2階はさらに(2.7m )後退させる」「隣棟との離隔(90cm)を確保する」「建ぺい率75%以内」といった規定が設けられていたとのことです。現在の建築基準法とは異なるものの、その規則があったからこそ、街並みには統一感と連続性が生まれ、今日まで魅力ある景観として残されていることを知りました。
伴氏は、そのような歴史的価値を持つ長屋に新たな命を吹き込み、現代和風の空間や洋風モダンな意匠を取り入れながら再生されています。空き家になっていた建物には小規模店舗や事務所が入り、地域交流の拠点として活用されており、まちの活性化にも大きく貢献していることが感じられました。
また、街中には長屋だけでなく、大正末期に大阪市が分譲した戸建住宅地も残っていました。和洋折衷の下見板張り住宅が立ち並び、一部では未舗装の道路も当時のまま残されています。その風景は、幼い頃に路地で遊んだ昭和の街並みを思い起こさせるもので、大変印象的でした。
見学の最後には、伴氏の設計事務所とご自宅を見学させていただきました。どちらも長屋を自らリノベーションされた建物です。特に事務所では、天井を取り払って小屋裏を現しにした空間が印象的でしたが、それ以上に驚いたのは、隣戸との境に設けられた「界壁」の存在でした。近年、一部の集合住宅で界壁の未施工が問題となりましたが、大正末期から昭和初期の長屋には既に防火・遮音を目的とした界壁が設けられていたことを知り、昔の建築技術の確かさに感心しました。
さらにご自宅では、セルロースファイバー断熱材を採用することで、高い断熱性能と防音性能を実現し、エアコン1台で四季を通じて快適に暮らせることを教えていただきました。ピアノ演奏も近隣への影響が少ないとの説明を受け、長屋の持つ構造的な特徴を活かした住まいづくりの工夫に納得しました。
今回の見学会は新築住宅を供給するだけでなく、既存住宅を再生し、地域資産として活用することの大切さを 改めて感じました。また、長屋は単なる古い住宅ではなく、地域とのつながりを生み出しながら現代に受け継がれる貴重な建築資産であることを改めて実感しました。
11月7日・8日には「第16回オープンナガヤ大阪2026」が開催されるとのことです。機会があれば再び訪れ、長屋での暮らしや小店舗と地域との交流など、大阪長屋の魅力をさらに体感してみたいと思います。
<reported by Masaaki Umeda>
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