すまいをトーク~すまい再発見!~

最新情報

次回講座のお知らせ
【見学】2026/10/24(土)
14:00-17:20
昭和町~田辺界隈の長屋をめぐる
※10/17までに参加申込をお願いします
→詳細はこちら

<終了しました>
2026/9/10(木)18:30-20:30
畳は古い、でも 古くない ~地域の畳屋が考える、畳のこれから~
→レポートをアップしました

2026年度スケジュール発表
2026年度の日程表と各講座の詳細は下記PDFファイルからご確認いただけます。

すまいをトーク2026年度パンフレット

すまいをトークって?
「すまいをトーク」はどなたでもご参加いただける住まいの勉強会です。受講生は随時募集中、単回参加も大歓迎です!
勉強会内容はスケジュールのページを、受講方法についてはお申し込みとお問い合わせのページをご覧ください。

【第9回】2026年9月10日(木)
畳は古い、でも 古くない ~地域の畳屋が考える、畳のこれから~

 今回の講師は、畳職人の大江俊幸さん(大江畳代表)です。目下、堺市で父親と一緒に畳店を営んでいます。先ずは、ご自身の略歴や家業に纏(まつ)わる話に始まり、日本の畳についての基礎知識や現在及び将来の問題点などについて、とても滑らかな口調で淡々と説明・解説して頂きました。
 古来、藺草(いぐさ)は東アジアの水田で栽培されている多年草。茎は糸のように細く長く、日本では畳表や蝋燭(ろうそく)などの灯心に活用されてきた。
 畳は日本固有の床材であり、中国にも韓国にも存在しません。以前は岡山県・広島県が国産藺草の特産地でしたが、現在は熊本県とのことです。産地の変動は如何なる理由でしょうか?需要と供給の関係?それとも、気候変動など?半世紀ほど前に、一面の藺草畑の中を岡山から倉敷へ走るバスに揺られて行ったことが、今は懐かしく思い出されます。
 また、目下国内に出回っている畳表の8割は中国産とのことです。このまま何ら有効な対策を施さないと、わが国固有の畳文化は中国産に市場を席巻されてしまうのでは?先の熊本地震では、八代市の藺草農家や加工所に甚大な被害があったようです。
 現況の畳を取り巻く環境はとても厳しく、戸建て・集合を問わず畳部屋のない住宅もごく普通のようです。目下国内だけに留まらず、世界に向けての新たな畳文化の取り組みが大いに期待されています。大江畳は2025大阪関西万博に出展し、日本の畳の伝統と文化を、SNSなどを通じて未来社会に向け強力に訴え続けてきました。さて、さてどれだけの効果が期待できるでしょうか?とても、とても気掛かりです。
 講座生の皆さん!今回の講座などをご縁に、失われつつある日本固有の文化・畳床に大いに着目し、今こそ畳文化の復権を共に推し進めようではありませんか!
 わが国固有の畳文化後継者・大江俊幸さん!これからも今回のような有意義な講座などを通じて、畳文化の再生(ルネッサンス)を共に訴え続けようではありませんか!
 講座生一同、再々度の再会を心から希求しています。この度の有益なご講義、本当に有難うございました。
(レポート:運営委員 牧 彰)


― 人もまた自然の分身 ―(牧 彰 随想)

 畳の起源は、平安中期の置畳(おきたたみ)に始まり、畳は国風文化の走りともなり、室町期には部屋の隅々まで敷き詰められるようになります。ワンルームの寝殿造から、障子(しょうじ)・襖(ふすま)で仕切られた書院造・数奇屋造への変遷です。
 また、「大阪すまいの今昔館」裏長屋では、引っ越し時には畳を剥いで持って行ったとあります。畳は安易に移動・移設できるので、床材というよりも人体に最も密接な家具であるのかも?畳の上に大文字に寝転んだ時の解放感・至福感は、「よくぞこの国に産まれけり」の感慨一入(ひとしお)!
 洋の東西を問わず、尺度の基準(メートル法は除く)は人体そのもの!「畳の上に座って半畳、寝て一畳」です。人体寸法に基づいた畳の存在のお陰で、日本人なら誰でも簡単な住宅の間取りが描けます。国民の誰でも住まいの設計図を描けるなんて!
 畳敷きだから和風と思うのは、些か安直な見方です。洋風建築は部屋の用途が明確ですが、畳敷きの場合は、用途ではなく部屋の床面積(ex.4畳半)で記載されます。和室は、極めてフレキシブルな空間なのです。
 外国人設計の洋館(旧古河邸・長楽館など)の畳敷き室が和室としてされているが、これなどは建築の本質を見極めない皮相的見解です。古来「庭屋一如」をモットーとするこの国の文化・衣食住にそぐいません。
 和風建築の本質は、形態に非ず。空間にこそある。Home(英語)に家庭(家+庭)を充てた明治の先人たちに心から感服です。庭という細やかな自然があってこそ真の家庭であり、「人もまた自然の分身」なのです。

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